学会誌『日本語文法』特集論文の募集

日本語文法学会 学会誌委員会

 『日本語文法』25巻1号(2025年3月刊行予定)では,一般の研究論文とは別に,「意味」というテーマで特集論文を募集します。
 なお,一般の投稿論文とは別枠とするものの,査読は通常通り行います。また,一般の投稿論文も通常通り受け付けます。この特集により,一般の投稿論文の採用数を減らすということはありませんので,御懸念のないように願います。
 投稿期限は,25巻1号の通常の投稿期限と同じ,2024年10月1日です。
 特集論文の御投稿にあたって,書式等は一般の研究論文と同じですが,「種別」欄は「研究論文」とし,論題の冒頭に「(特集)」を付記してください。ただし,この付記は,投稿時における便宜的な措置であり,掲載時には削除します。
 [例] 「(特集)形式名詞の意味分析」

『日本語文法』25巻1号 「特集」
テーマ:意味

趣 旨:
 文法は言語の形式と意味を繋ぐシステムであり,文法の研究は意味の研究と切っても切れない関係にあります。意味の研究は,対象とする言語現象や,それを扱う分野やアプローチを問わず,これまで盛んに行われてきました。本誌『日本語文法』でも,意味に関係する論文が掲載されない号は見当たりません。
 そうした研究の結果,言語形式の持つ概念的意味やそこから喚起される世界知識としての意味,離散的記号によって捉えられる抽象化された意味,話者の捉え方としての意味,文法的な意味と語用論的な意味,発話の場から創発する意味など,様々な角度から意味の内実が明らかにされてきました。
 こうした成果も踏まえ,今後,意味の研究はどこに向かうべきなのでしょうか。近年,大規模言語モデルという,意味とは何かを考える際の新たな要素も加わりました。第24回大会シンポジウム「意味論研究の新地平」でも話題に上ったように,今後,言語研究において,これまで以上に意味の研究が重要性を帯びることは想像に難くありません。
 このような背景から,今回の「特集」では,「意味」をテーマに据え,広く検討してみたいと思います。日本語の研究を通じて新たに得られる意味研究の視点について,今この機会に改めて考え,意味というものをどのように捉える可能性があるのか,そしてそのような検討がどのような新たな課題を明らかにするのか,その可能性を示し今後の研究に繋げていきたい。このような想いから今回の「特集」を企画しました。
 意味に関する記述的研究および理論的研究,意味論的・語用論的切り口からの対照研究など,広く意味を扱う研究であれば,対象やアプローチの方法は問いません。皆様からの投稿論文を端緒に,日本語の文法研究から意味研究の新たな地平が拓けることを期待します。

(企画担当委員:今野弘章,眞野美穂)

これまで募集した特集の記録