特集:待遇表現 ― 『日本語文法』24巻1号

日本語文法学会 学会誌委員会

 『日本語文法』24巻1号(2024年3月刊行予定)では,21巻1号から始めた公募型の特集の第4回として,一般の研究論文とは別に,テーマに沿った論文を募集します。
投稿期限は,24巻1号の通常の投稿期限と同じ,2023年10月1日です。

『日本語文法』24巻1号 「特集」
テーマ:待遇表現

趣 旨:
 これまでの待遇表現の研究は,「敬語」を中心に行われてきました。敬語の研究には古代語から現代語に至るまで,敬語の分類をはじめとした多くの研究の蓄積があります。平成19(2007)年の文化審議会答申「敬語の指針」に示された敬語の5分類は,3分類からの見直しを示したものですが,15年が経過して教育現場にも浸透しつつあります。
 近年,上位者への待遇を扱う「敬語」研究に留まらず,敬語の使用・不使用に着目する研究や,聞き手への配慮に重点を置く研究,卑罵語のようなマイナス方向への待遇に着目する研究など,待遇表現研究の研究対象の広がりが顕著となっています。また,語用論,ポライトネス,認知言語学などの理論的研究からのアプローチも多く行われるようになり,「敬語」以外の待遇表現の研究についても活発な状況になってきました。
 このような現在の研究状況のもとに,今回の特集では「待遇表現」をテーマとして,投稿論文を募集いたします。
 現代共通語,方言,文献資料を対象とした記述的研究や理論的研究,他言語との対照や類型論的研究,また,学史的研究や国語教育・日本語教育に資する研究など,広く「待遇表現」に関することであればアプローチの方法は問いません。もちろん,狭義「敬語」を扱った研究も歓迎いたします。多様で新たな知見が寄せられることを期待しています。

(企画担当:吉田永弘,高木千恵)