現代語の感動文の構造

笹井 香 (関西学院大学大学院生)

 現代語の感動文の研究は感動喚体句の構造を持つとされる文 (例「美しい花!」以下A型) を中心に行われており「なんと〜だろう!」の形式 (例「なんと美しい花だろう!」以下B型) は疑問表現の一形態,あるいは疑問表現の周辺にあるものとして扱われてきた。
 この発表では,B型は疑問文とは異なる構造を持つ感動文であることを明らかにした。「なんと〜だろう!」の形式は,疑問文にあるはずの知的側面をもたないことを論じた上で,(1)「なんと」が疑問副詞・程度副詞とは異なり,属性概念を持つ語と体言の両方を要求するため,必ず文中にコトを構成すること,(2)コトを構成する構造はA型の構造と一致していること,また(3)「なんと」と呼応して現れる「だろう」などの判断辞は,判断辞としての対立をもたず,さらに,その意味の変質に伴いこれらの接続形式も変化していることを明らかにした。以上の点からB型は疑問文ではなく感動文であることを論証した。


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Last update: 2003/10/28