空間移動着点表現における日中両言語の対照――構文を中心に――

朴 貞姫 (明海大学大学院生・非常勤講師)

 本稿では日本語の「NL+からNL+まで」(JA)と「NL+からNL+に」(JB),中国語の"从+NL到+NL"(CA)と"从+NLV到+NL"(CB)構造を中心に,日中両言語の移動着点表現の異同を探る。通常,日本語では,機能語「に」と「まで」によって異なる意味の移動着点を表すが,中国語では"到"とVPの共起制限によって異なる意味の移動着点を表す。意味的に,JAとCAは起点から着点までの累積走査で静的空間を表し,JBとCBは起点から着点までの連続走査で動的空間を表す。統語的にJAとCAは起点句と着点句が常に一つのまとまった固定形式として名詞的振る舞いをし,構文において主語,限定語,目的語,補語,述語などの統語成分に成りうるが,JBとCBはそれが不可能である。なお,JAとCBは移動動詞,状態動詞,動作動詞との共起が可能であるが,JBとCAは動作動詞の場合は持続の意味の副詞や着点直示動詞「来る/行く」との結合などの条件が必要である。


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Last update: 2003/10/28