数量詞構文の機能論的考察

天崎 治 (シンガポール国立大学非常勤講師/ニューヨーク州立大バッファロー校大学院)

 本発表では,日本語における多様な数量詞構文のうち,主に連体,累加 (同格),遊離の三つの構文を比較しながら,それぞれの構文における機能的特徴を, 形式面での数量詞と名詞の結合度,及び数量詞と名詞の表す情報の認知的なとらえられ方,という観点から考察した。連体構文は,数量詞と名詞の結合度がもっとも強く,数量詞が表す情報が名詞によって表されるグループの属性として認知される。累加構文では,数量詞と名詞は同一名詞句内に現れ明示的には結合されていないが,両者間には題述関係が見られ既存の集合の数量的特徴を追加的に述べるという機能をもつ。遊離構文では,数量詞は名詞句の外に現れるため名詞との結びつきは最も弱く,そこから新規に計量されることによって出現した新集合を文脈に導入するという機能をもつ。このような形式面や認知面での特徴は,各構文の実際の使用分布パターンや,同一構文内の機能の多様性とも強く関係している。


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Last update: 2003/10/28