本発表では,談話標識「ふーん」についての分析を話し手の心内の情報処理との関連から試みた。まず,「ふーん」がどのような振る舞いを見せるのかを検討した。独り言での発話,出現位置・繰り返し,「ふーん」の後続の発話等から,「ふーん」は(a)何らかの情報獲得を示す,(b)活性化した情報とそぐわない,という性質を持つことを指摘した。また,活性化に関して,情報が書き込まれる心内領域をactive領域とsemiactive領域に二区分することで,「ふーん」の機能記述に対する前提を提示した。そして,「ふーん」の本質的な機能を「獲得した情報がsemiactive領域に格納されたことを示し,activeな属性ではないことを示す」とし,さらに,実際の「ふーん」発話に対する聞き手の解釈の多様性を語用論的フィードバックとして捉えることで,本質的な機能と語用論的な効果とを明確に切り離して考えていくことが可能であることを提案した。