古代日本語のハダカ格について――源氏物語の用例を通して――

高山道代(お茶の水女子大学大学院生)

 主格・対格関係全体の中でのハダカ形式(「大臣φ参る」など)・助辞ノ・助辞ヲ表示形式の担う意味・機能を明らかにする研究の一環として,主格関係を表すハダカ形式について考察を行う。その名詞と動詞との組み合わせを格関係の単位として取り出し,その結びつきの意味を項構造の観点から(1)対格ハダカ形式との対応関係の分析,(2)(更に検討が必要であるが)助辞ノ表示形式との対照・比較による分析を行った。分析(1)からは内項のつくる結びつきにおいて主格/対格の対応関係が見られるが,「物の変化」を表す結びつきにおいても典型的な対応関係が見出しにくいことが確認できる。分析(2)からは助辞ノ表示形式がハダカ形式に比べて非能格自動詞や他動詞のつくる組み合わせに多く,外項主語として用いられる傾向があること,また,他動詞の場合は「かかわり動詞」などのつくる間接的な結びつきにおいて顕著であることが認められる。


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Last update: 2002/03/13