「〜てもらう」構文の機能と適格性

高見 健一(東京都立大学)

 この発表では,「〜てもらう」構文の適格性を,「〜てくれる」構文と比較しながら考察し,視点や非対格動詞/非能格動詞の区別等に基づく従来の分析では,十分に捉えられないことを示した。そして,「〜てもらう」構文の適格性は,(1) 「ニ」格名詞句が,「人間」,「動物」,「自然の力」,「無生物」のいずれであるか,(2) 述べられている事象が,「ニ」格名詞句自らが引き起こす事象か,あるいは外的要因が引き起こす事象か,(3) 利益の意味が,「〜てもらう」の先行文脈で示されているかどうか,(4) 利益の意味が,「〜てもらう」の後続文脈で示されているかどうか,という4つの要因の相互作用によって,段階的に決定づけられることを提案した。また,本分析は,「〜てくれる」構文の適格性も説明でき,さらに,「利益」とは逆の関係にある「迷惑」という概念を用いることによって,被害受身文の分析にも適用できることを示した。


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Last update: 2002/03/13