日本語を学ぶ人・教える人のための日本語文法
――日本語教育にも貢献する文法記述を求めて――

白川博之(広島大学)

 日本語教育との関係が希薄化しつつあることは日本語学の発展にとって憂慮すべきことではないかとの問題意識の下,この発表では,日本語文法の研究に際して「語学」的研究という選択肢を敢えて選ぶことの必要性・有効性を述べ,その原理・方法について論じた。
 具体的には,次のようなことを,誤用例や教材の例文を示しながら主張した。
1) 「語学」的な文法研究は,学習者の視点から出発するために,現行の「日本語学」/言語学とは原理的に異なる。場合によっては,発想が逆様になることさえある。
2) 日本語教育にも役に立つ文法記述にしようと思うならば,始めから記述の勘どころを押さえて記述する必要がある。結果的に役に立つはずというのでは楽観的である。
つまるところ,日本語学/言語学は基礎研究で日本語教育はその応用という捉え方は誤りであり,「語学」的な研究は日本語教育に役立つだけでなく日本語学の再生にも寄与する。


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Last update: 2002/03/13