本発表では,名詞に「か」のついた並列句 (「か」並列句) の句末の「か」が,常に「任意」の要素というわけではなく,「必須」になったり「不可」になったりするという事実に着目し,考察を行った。
(1) 持ち込まれたのがビールか日本酒{a.か/b.#φ}は,特定できない。(必須)
(2) ビールか日本酒{a.か/b.φ}を飲んで車を運転していたらしい。(任意)
(3) うちの店にあるのは,ビールか日本酒{a.#か/b.φ}だけだ。(不可)
考察の結果,句末の「か」が「必須」になる場合,その「か」は,並列助詞ではなく選択疑問節の一部であることが明らかになった。一方,句末の「か」が「不可」になる理由や,「任意」の場合に「か」が付くことにより生じるニュアンスの違いについては,並列助詞「か」の機能 (「同類性」と「不確定性」) から説明されることを論じた。