コーパスにおける日本語と韓国語の二重対格構文

姜龍熙 (東京大学大学院生)

 膠着語の特性を共有し,類似した統辞的規則が通用する日本語と韓国語が顕著な相違を見せているのが二重対格構文である。韓国語の二重対格構文としては,全体-部分構文や数量詞構文が存在することが既に指摘されているが,コーパスを検索すると先行研究の作例にあるものとは異なり,複数の構文が複合した形が数多く見られる。また不定格レベルにおける格助詞と名詞句・動詞句,二項を要する動詞による使役構文や授与構文などが,主な二重対格構文の環境として挙げられる。一方,日本語における二重対格構文においても,コーパスには既に指摘されている使役構文や名詞句属格構文のみならず,ゼロ格を対象化するような数量詞構文も存在していることがわかった。また,例えば「掃除をする」と「掃除する」のような文型の違いの混同に起因すると思われるものや,属格の濫用を回避するため二重対格構文をとらざるをえなかったものなど多様なパターンが見られる。


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Last update: 2002/03/13